西宮市では平成30年代半ばに全育成センターで4年生の通年受入を目指すとしています。「せめて夏だけでも4年生の受入を」という保護者の声を私はよく耳にします。保護者にとっては30年代半ばではなく、目の前の1年が切実なわけで、そういう声に対応するために、計画に沿った事業整備を推進することに加えて、前倒しでの事業整備を検討することを要望しました。

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平成27年度に施行された児童福祉法の一部改正により、育成センターでこれまで3年生までだった利用対象が6年生まで拡大されました。本市においても、昨年度、夏休みに2センターで4年生受け入れのモデル実施を行い、今年度は上甲子園、鳴尾、高須、西宮浜の4センターにて、育成センター利用歴がある4年生に限って受け入れのモデル実施を行い、計51名の4年生が利用登録をしました。

本市では過去の議会答弁において、平成30年代半ばに全センターで4年生の受入を目指すとしており、総合戦略では平成31年の目標値を15施設としています。来年度も新たに数か所の施設で受け入れが予定されていますが、施設の改修が不要といった現状で受入可能な施設から4年生を受け入れています。

〇待機児童数や地域ニーズ
〇現状の施設で受入が可能かどうか
などの検証や項目に基づいて、全育成センターでの今後の受け入れに向けた整備計画がなければ、受入が容易な施設では受入が開始するが、施設の改修や拡大のための用地確保が必要な施設での受け入れが後回しになり、必要な予算確保に弊害が生じることが想定されます。平成30年代半ばという目標を前倒しすべきだと私は考えますが、整備計画がなければ平成30年代半ばという目標ですら達成できるかどうか不透明です。

話は変わりますが、平成28年3月に保育所を卒園した市内の児童数は1,163人、認定こども園を2号認定、3号認定で卒園した児童数は22人、計1,185人です。平成28年4月利用で育成センターの利用を申し込んだ1年生の人数は1,184人でした。数字上、保育所を卒園した児童が引き続き育成センターの利用を希望していることになります。育成センターにおける待機児童数は平成28年11月末現在で8人ですが、保育所の保育需要率が今年度27.13%であり、かつ上昇傾向にあることから、保育所等待機児童発生の原因である施設整備、人員不足といった課題が育成センターでも今後、想定されます。

育成センターの指導員の配置は定員40人に対して2人、定員60人に対して3人です。常勤の指導員は保育士資格、幼稚園教諭、小中教員免許を保持しているなどの要件があります。育成センターの指導員は通常時と長期休業時での勤務時間が違う不規則な勤務形態です。また、保育所の保育士需要が高くなっていることから、本来、指定管理者が独自で行うべき人材確保が難しくなっています。市が市政ニュースで募集案内を掲載していますが、それに加えて、今後、新たな取組が必要であると考えます。