今回は『人口減少時代における地域活性化』~人口減が地方を強くする~というテーマで(株)日本総合研究所の藤波匠氏の講義でした。
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以下メモです。

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〇東京と地方の人口移動の均衡化のために国が2020年までに東京圏の転入超過ゼロを目標としている。

〇人口動態の一例(2015年)
・福岡県ー転入超過8,800人
内訳
東京圏へ2,430人転出
福岡市以外の県内から3,060人転入
福岡県以外の九州から77,092人転入
全国の他の地域から1,221人転入

・静岡市ー転出超過1,168人
※三大都市圏には流出、他の地域から流入
内訳
名古屋、大阪圏へ402人転出
東京圏へ1,270人転出
静岡市以外の県内から215人の転入
全国の他の地域から189人の転入

・熱海市ー転入超過151人
※東京圏から転入超過分だけ転入超過
内訳
東京圏から152人転入(温泉街のためリタイアした人が多いのでは)
全国の他の地域から105人転入
名古屋、大阪圏へ10人転出
熱海市以外の静岡県へ96人転入

・山梨県北杜市ー51人転出超過
※東京県からは転入超過(若者は外へ、高齢者が転入)
内訳
東京圏から153人転入
全国の他の地域から30人転入
名古屋、大阪圏へ27人転出
北杜市以外の山梨県へ207人転出

このように東京圏へ転出している一方、熱海市や北杜市では東京からの転入人口は多くなっている。
〇東京圏の転入超過は18~30歳に集中しているが、大阪圏は18~21歳は転入超過だが、30歳までの年齢区分で転出超過が多くなっている。
〇団塊ジュニアの人数を1とすると、20~24歳は0.6くらい。経済によって人の流れが決まるので、人の出入りにこだわらずに、人口減・人口密度低下を前提に地域を考える必要性がある。
〇人口誘導は投資の割りにリターンが少ない(ので、人口誘導策は検証が必要である)
〇多摩ニュータウン、岡山県笠岡諸島、秋田県横手市、神奈川県葉山町の先進事例。
〇タクシー、バスの運転手は担い手が不足しており、年金がないとやっていけないので、ITの活用などコンパクトシティ以外で生産性を上げる方法を考えるべき。

西宮市の人口は増えていますが、65歳以上の割合も増加しています。一方で、15-64歳と0-14歳の割合は減少しています。今、住んでいる住民のサービスの充実のためならともかく、他から人口を誘導するために〇〇を無料にするといった政策が、日本全体の人口が減る中でどれくらい効果があるのか疑問に思っていたこともあり、理論的な講義が腑に落ちました。