新聞等で報道された、市内NPO法人との契約について①

新聞等で報道された、市内NPO法人との契約について②

の続きです。

一般質問における質疑はここまでですが、今後の進捗確認と残された課題については決算や予算の特別委員会で質疑を行います。

随意契約について③

【再質問】
今後の対策として、「障害者就労施設等と随意契約を結ぶ根拠となっている現行の取り扱い方針の見直しを行い、契約の在り方も改善していく必要があると考えております」との答弁ですが、取り扱い方針の見直しにより、NPO法人への発注量が減少すると、法人の運営にも影響を与え、仕事を失う方がでることが想定されます。また、利用者、その家族で不安になっている人がいることも想定されます。市は相談体制を整えて、雇用面やこれらの不安に全力で対応すべきと考えますが、見解をお聞かせください。


【答弁】
本市では障害のある人の生活や就労についての相談窓口として生活支援課や総合福祉センターにある「障害者総合相談支援センターにしのみや」、「障害者就労生活支援センター“アイビー”」などを設置しています。本市の利用者や家族が不安を感じられた場合はこれらの窓口で相談を受け、ご本人の希望を十分に聞き取ったうえで雇用の確保や不安の解消に全力を注ぎたいと考えております。


【再質問】

今後、より多くの障害者団体との契約や随意契約の際の公平性・透明性という観点も必要かと思いますが、今回は今の制度における原因が何であったかということに絞って次の質問をしたいと思います。

原因を踏まえた対策についてですが、

1点目 同じ団体、同じグループ内の団体であっても、それぞれ複数の取り扱い方針の契約上限金額がそれぞれ適用されること。 NPO法人は多数障害者雇用企業と障害者支援施設等、両方の取り扱い方針に基づいて、随意契約しています。同一グループの株式会社(アドバンス(株))は障害者支援施設等の取り扱い方針に基づいて随意契約をしています。この場合、同1グループで取り扱い方針の上限が3つ、同1団体であっても2つの取り扱い方針の契約金額上限がそれぞれ適用されています。このように、団体、グループで合算した上限額が適用されるため、随意契約の額が突出しています。それぞれの取り扱い方針に基づく契約上限額を合算させるのでなく、グループ、もしくは団体毎に上限額を適用すべきではないか。

2点目 人数要件 平成23年度の契約から適用されている障害者支援施設等の取り扱い方針で契約上限額設定の際の人数要件から、市内在住が撤廃されたことも要因の1つであると考えます。多数障害者雇用企業の取り扱い方針と同等に障害者支援施設等の取り扱い方針においても、人数要件に市内在住を反映させるべきではないか。

また、就労継続支援A型だけに適用される、1人につき最大1.5倍カウントの人数算定を見直すべきではないか。


【答弁】
現在、実態の把握と対策の検討を行っているところであるため、あくまで現時点の見解としてお答えいたします。

まず、団体若しくはグループごとに上限額を適用すべきではないかとのご質問ですが、ご指摘のとおり、当該NPO法人は、多数障害者雇用企業と障害者支援施設等の両方に登録があり、同じグループのアドバンス株式会社も障害者支援施設等に登録しています。登録の際の対象となる障害者は重複していないとはいえ、結果として、上限額が高くなり、当該グループに対する高額な発注の一因となっているため、取扱方針の見直しに当たっては、登録のあり方なども検討する必要があると考えております。

次に、契約上限額設定の際の人数要件ですが、障害者総合支援法では、障害者が障害者施設等を選ぶ制度となっており、事業者が市内在住障害者を選ぶことができないため、障害者支援施設等の事業者に市内在住障害者の要件を付すのは難しいと考えております。一方、就労継続支援A型については、「福祉的就労から一般就労への移行」と「賃金アップ」の推進のため、1.5倍カウントとして取り扱うこととしたものですが、この取り扱いについて、改めて検討する必要があると考えております。

そもそも、障害者の就労継続支援として、A型とB型がございます。まず、B型についてですが、B型事業者は、利用者に対して、工賃を支払いますが、そこで余剰金が発生した場合は、事業者は、運営上、一定の内部留保をすることは認められておりますが、それを上回る余剰金は、利用者に還元することが義務付けられております。一方、A型は、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう就労の機会の提供等を行うものです。そのため、雇用契約に基づく最低賃金が保証されておりますが、余剰金が発生しても、B型のように制約義務はなく、あくまでも努力義務となっております。

こうしたことを踏まえ、現行の取扱方針については、議員ご指摘の点も含めて、抜本的に見直す必要があると考えております。


【意見・要望】
はっきりしない点は残りますが、「実態の把握と対策の検討中のため、現時点での見解」とのことですので、今後、進捗を議会に対して報告するようにお願いします。その他 、意見・要望を述べます。  

まず、利用者の雇用を確保するということは、全力でとりくんでください。今回の件は、このようなことが起きる制度になっていたために、起こるべくして起きたという点で、制度設計をした市にも責任があります。そして、随意契約で支払われる費用は、もとは、市民の方々からの税金です。一般質問を通告してからここに至るまでの経過で、今回の件に対して、担当した職員さんは強い問題意識を持ち、二度とこのようなことが起きないようにしなければならないという責任感を感じました。当然のことだと思います。それと比べて、HPに掲載されている5月の市長定例 会見の会見録ですが、契約が適切、 雇用や賃金の支払いが適切であれば問題ない 適正な価格で業務が遂行されているか、適正な団体と契約しているかということが抜けていることに、この定例会で私以外にも複数の議員がとりあげていることからして、問題がないのいうのは 市政全般を預かる市長という立場にある方の発言として、強い違和感があります。

昨年度、NPO法人と、高額で、1件5000万円を超える随意契約をしていますが、障害者団体への優先発注に限らず、随意契約全般において、
・一定額以上の契約は入札や見積合わせを行うといった、契約の公平性・透明性を確保する仕組み作り
・額の高い業務の分割、業務の分散により、市が業務を発注できていない障害者就労支援施設等を含めて、より多くの障害者団体と契約するようにする

といった対策を行うなど、二度のこのようなことが起きないように、第2、第3の同じような団体がでてくることがないように、徹底した原因究明及びあらゆるパターンを想定した再発防止策を実施してください。