西宮市の今後10年間の計画が策定中です。

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西宮市総合計画(以下、「数字+次総」で、第5次西宮市総合計画であれば、5次総とします) 総合計画は少子高齢化及び人口減少が加速化する将来においても、本市が文教住宅都市として維持発展していくための長期的なまちづくりの指針として策定されます。

5次総は計画期間が2019年度年からの10年間です。

9月の総務常任委員会における所管事務報告では、計画期間に活用できる一般財源が最大で798億円と示されました。学校のように校舎を何十年も利用する施設は、将来利用する世代も負担を負う受益者負担の観点から、一般財源に加えて借金である市債も財源とします。そのため、実際の事業規模は更に大きくなります。この事業規模の算出では、昨年度末で約235億円の残高がある市の貯金、いわゆる基金を計画終了時点で全て使い切ることになっています。

資料をご覧ください。
財政

平成元年からの財政及び減災基金残高の推移を表しています。あわせて、過去の総合計画がスタートした時点の基金残高、これまでの計画期間10年間の基金残高の平均額を示しています。

3次総、4次総ともに、計画期間の事業に活用できる財源を期間終了時に基金がゼロになる前提で算出しましたが、結果としては一定の基金残高を維持しています。しかし、基金残高ゼロで算出しても、一定の基金残高が発生しているから良いというものではありません。逆に基金残高をゼロで算出して途中で財源が不足した場合、どのように対処するのでしょうか。

現在、兵庫県と西宮市は想定される南海トラフ巨大地震などの災害対応として、多額の財源を投じています。また、災害への対応を強化するために、大規模災害時の拠点となる危機管理センターとして、93億円の総事業費により、第二庁舎を建設する予定です。防災や減災、その後の災害対応の強化は必要なことだと考えますが、災害時は復興の費用も必要となります。阪神・淡路大震災発生後、復興に財源を要したこともあり、最大で約124億円もの基金残高が減少しています。過去の事例によると、災害が発生すれば、それだけの財源が必要になるということではないでしょうか。財政面での対策も不可欠です。

適正な基金残高について、これまで議会では、平成27年9月定例会で、私の一般質問において、「基金残高の適正額の考え方につきましては、そのときの社会情勢や今後の財政状況によって変わっていくものであります。よりまして、金額や指標としてはっきりお示しすることはできない」としたうえで、「第4次総合計画期間終了後の平成31年度以降も、必要な事業を行うために多額の財源を要することが予測されることから、今後も、利用予定のない市有地の売却などによる財源確保に努め、極力、現在の基金残高を維持してまいりたいと考えております。」と答弁しています。今年の9月定例会でも、別の議員に対して、「基金残高の適正額についてですが、社会経済情勢や財政状況などで変わるものと考えているところでございます。今後、公共施設の老朽化対策やさまざまな行政需要に対応していくために、当面は現在の基金残高の規模を維持していきたいと考えております」と答弁しています。市は一定の基金残高を要する必要性と現在程度の基金残高を維持したい意向を示しています。

5次総期間が終了する2028年以降も、西宮市は続き、続いて(仮称)6次総の期間がやってきます。その6次総期間は、傍聴席の高校生の皆さんが高校や大学を卒業後、社会人になって西宮市に住んでいれば、子育て真っ最中の方もいるでしょう。その頃は現在よりも高齢化社会が進み、それにともなう医療費増といった原因で財政が厳しくなることが想定されます。一方で、子育て支援など必要な施策を実施する必要もあります。だからこそ、5次総の期間がおわり、6次総が開始する時期、それ以降の期間も一定の基金残高を維持した状態で迎えるべきではないでしょうか。


【Q】
これまでの基金残高の推移を踏まえると、平成元年以降の平均である153億円程度、もしくは震災後減少した124億円以上の基金残高を維持したうえで、5次総期間に活用可能な一般財源を算出すべきではないか。 

 第5次西宮市総合計画について②
へ続きます。