他にBTOやBOTなど、アルファベットの頭文字だけの略語が良く出てきます。

先日、川西市議会で開催されたSIB(Social Impact Bond、社会的インパクト投資)についての勉強会に参加しました。

SIBとは、民間資金を活用して革新的な社会課題解決型の事業を実施し、その事業成果(社会的コストの効率化部分)を支払の原資とすることを目指すものです。既にニューヨーク市等では、民間事業者が取り組む活動の社会的インパクト(行政コスト削減等)を数値化し、自治体等がその成果報酬を支払うSIBの導入が図られ、民間資金の活用が進んでいます。
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大雑把に言うと、
行政がやるとコストが200かかる。
→民間のノウハウで削減。
→その削減効果のいくらかを報酬として支払う。
というようなものです。
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現在、取り組んでいる自治体ではモデル事業が多く、のちに紹介する事例①は成果報酬です。投資なので、専門家を配置している銀行もあるとのことでした。尼崎市がモデル実施をしたことは報道されていましたが、他の具体事例について詳細に伺いました。

SIBについての詳細は官邸のサイト


事例①
KUMON-学習療法による認知症予防  (経済産業省SIB調査事業)

〇学習療法のはじまりー2001年、東北大の川島教授
〇全国1500施設で兵庫県で70施設導入、猪名川町の脳の研究教室、福岡県うきは市
〇読み書きや簡単な計算をしているときに脳が働く
〇成果連動型支払事業 
成果指標としてアウトカム指標、プロセス指標、ストラクチャー指標を設定
成果達成の場合 25.9万円 未達の場合 0円
〇信じられない感動的な事例があり、それをひろげたい
〇自分の健康が周りの幸せにつながるという目的共有が重要
〇今年度開催箇所を増やして、3年目から本格的に導入予定


事例②
キャンサースキャン-大腸がんのオーダーメイド受診勧奨  (日本初のSIB案件・八王子市)

がん検診の案内書の訴求方法を変えて検診受診率が上がった事例や減薬介入事業などについて


事例③
医療法人オーロラ会 株式会社ポラリス-自立支援介護による圧倒的な要介護認定改善

〇自立支援介護とは、
1水 1日1500CC
2食事
3排泄
4運動 パワーリハ→歩行
5薬
=普通の生活

〇認知症の周辺症状には運動が効果がある。
〇歩くことが前提で水分や栄養をとる。

これまでは、寝たきりは足の筋肉の衰えとされていたため、筋肉を鍛えるケアをしましたが、急性期はともかく、長期的に歩けるようになるためには、筋肉を鍛えることは効果がないそうです。ピアノを弾けるのは指の運動でなく、脳が覚えているからであり、同じように歩けないのは、脳の回路から歩くことを忘れているからです。歩くことを繰り返すことで脳の回路が思い出します。これを運動学習理論というそうです。

ねたきりの場合を下剤を飲むため、いつトイレかわからないため、外出が難しくなります。また、昼動かずにベッドにずっといると、夜眠れず睡眠剤が処方されます。しかし、歩くことで、腸の動きが活発になり通じが良くなり下剤が不要に。また、日中、身体を動かしたことで夜眠れるようになり睡眠剤も不要に。その医療費が削減されます。

また、今年2月よりパナソニックと提携しAIを活用した自立支援介護プラットフォーム構築に向けた業務提携、実証実験がスタートしました。