先日の総務常任委員会の報告です。平成29年3月、市役所の正規職員を増員するために条例が改正されました。この議案に対する議会の賛否は僅差でした。その時の議会からの指摘をきっかけに実施された、第三者期間による「人件費・人員配置等の分析について」市から報告がありました。

西宮市の人件費率が高い原因として、「市立高校があるから」「給食が直営だから」など、市がこれまで主張していたことが報告でも繰り返されており、「高くても仕方ない」と言わんばかりの印象を受けました。

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調査対象市には中核市以外も含まれています。中核市とそうでない市では、保健所の設置をはじめ業務の範囲が異なるため、同列に比較する対象とはなりえません。また、人口規模が近いなど、類似している一部の中核市は調査対象から外されており、調査対象市の選定基準もよくわかりませんでした。

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分析以上に重要なことは、これから何をするかですが、「市が実施する業務について、業務量の縮減や効率化を図り、RPAやAIなどICT新技術の活用や民間委託によるコストの縮減を図ることなどを目的に、「業務プロセス分析」を実施する。」とのこと。今年度と来年度で業務プロセス分析を実施、来年度中に市としての効率的な執行体制についての考え方を整理、平成32年度以降に順次取り組みを推進していく方針です。

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昨年度から副市長通達で「働き方改革」に取り組んでいます。しかし、課によって取り組みに対する意識に差があると感じています。通達以前のH28年度と通達以後のH29年度で超過勤務が増加している課があります。以前の委員会でこの件について人事課に尋ねた際、原因とその課の取り組みについても把握していませんでした。「働き方改革」ですら、このような現状であり、今回も本気度が私には伝わりませんでした。

また、正規職員の更なる増員につながる条例改正を検討していることがわかりました。2年前に正規職員を増やすために条例を改正したばかりなのですが・・・

職員が育休で長期間休業する際、代替を臨時職員で対応しています。これは正規職員の定数に育休者も含まれているためです。職員定数に含まれている育休者を定数から外す。つまり、休業中の職員の人数分の正規職員の定数が増えることになります。年間で100~120人くらい育休取得者がおり、育休を取得しやすくする重要性については理解できます。また、高齢社会や待機児童対策など、市民からの行政需要が増加していることも理解できます。

しかし、「業務量の縮減や効率化を図り、RPAやAIなどICT新技術の活用や民間委託によるコストの縮減」に加えて、需要の減っている事業や効果の不明な事業を廃止しなければ、市役所の業務はどんどん増えていきます。事業費が高くなくても、事業を廃止すれば、それに関わる職員の勤務時間が削減され、その時間を市民ニーズの高い業務に費やすことができます。これに徹底的に取り組んだ後でなければ、「職員を増やします」と言われても納得できるものではありません。