コーナーを設置すべきと言えば、財源が必要とかいう答えが返ってくるのはわかっています。ただ、課毎にフォーマットがバラバラの書類を一括して作成することなど、今の体制のままでも遺族に寄り添うためにできることはすべきという趣旨で質問しました。

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本市において、死亡の際に必要な手続きが関連する課は20以上にわたります。課によっては複数の手続きが必要な場合もあります。複雑な手続きを簡単にすることで遺族の負担を減らすために、三田市では「おくやみコーナー(以後コーナー)」を設置し、死亡の際に必要な手続きに一括して対応しています。先日、「コーナー」設置の発祥である大分県別府市を調査しました。

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資料が「コーナー」の画像と詳細についてです。

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まず、遺族の方が「コーナー」に来庁 続いて職員が説明・案内をしながら、遺族がシートに記入し、シートに記載の情報を職員が入力します。一度必要事項を入力すると、必要な届出書が一括して作成されます。手続きが必要な課に行き、そこで同じような必要事項を記載する手間がはぶけます。他に職員の案内マニュアル作成や、手続きが必要かどうか各課に確認する場合もチャット機能のソフトを使用することで、即時に確認できるようにしています。

その後、遺族が各課を回ります。「コーナー」で作成した書類は各課で共有化され、各課の担当者は遺族の方が窓口に来てから準備をするのでなく、コーナーで情報が入力された時点で遺族への対応の準備ができるため、遺族が手続にかかる総時間の短縮に加えて、職員の業務の効率化にもつながっています。もちろん、遺族が「コーナー」から移動せずに、手続きが必要な課の職員がやってきて、一括対応することもできます。私が三田市の「コーナー」を見学したときは「コーナー」に職員がやってきて一括対応をしていました。

「コーナー」が設置されるまで、電話や郵送での対応についても、課ごとに対応するたらいまわし状態でしたが、「コーナー」ができたことにより、一括的に対応しています。遺族は葬儀の手続きなど行政手続き以外にも多くの対応が必要となります。以前と比べてかかる時間が短くなり、「どこで何をしたらよいかわからない」という遺族の心理的負担と届出書作成の負担軽減により、市民満足度向上につなげています。

別府市の担当者いわく、費用が必要となるシステムの改修をせずとも、市民のために何かできるサービスはないかという思いから今できることを実施しているだけとのことでした。「コーナー」を設置しなくても、書類作成の共通化・手続きのフローチャート確立・マニュアルの作成などにより、遺族の負担を減らす対応は本市においても可能です。


【質問】
遺族の負担を減らすために、死亡の際の複雑かつ多岐にわたる手続きを一括対応できる「おくやみコーナー」のような体制を整えるべきではないか。  


【答弁】

本市では、住民異動に伴い必要となる複数の手続きを、市民部各課が業務連携した市民部総合窓口で対応することで、市民の利便性の向上を図っております。 また、死亡の際の多岐にわたる手続きについては、ご遺族がお越しになられた際に、「死亡に関する手続き」のリーフレットを活用し、1階の各窓口職場やフロアーマネージャーが必要な手続きのご案内を行っております。さらに、市民部各課の窓口においては、職員が連携して業務を行うことで、市民サービスの向上に努めているところでございます。 

議員ご提案の「おくやみコーナー」など複雑な手続きを一括して対応できる体制の整備につきましては、人員や場所および費用等の問題がございますので、今後の全庁的な業務の効率化を進めるにあたって、業務の整理を行う中で、研究してまいりたいと考えております。 今後は、他部局とも連携を図りながら、窓口での案内の仕方および申請書類などの改善に向けて検討を行い、来庁された方の負担が少しでも軽減できるよう取り組んでまいります。